先日行われました中国中学校駅伝競走大会において本校陸上部が初優勝を果たしました。歴史的な快挙ですが，ここに至るまで簡単な道のりではありませんでしたので，少しここにおもいを述べさせてください。

私は本校に赴任して６年目となります。2016年の赴任当時は，女子長距離部員が２年生に１名のみでした。その生徒は「１人でも走りたい。自己記録を更新したい」という強い思いがありました。私はその生徒の目標を達成させたいという思いから，指導に励み本人の努力が実り自己記録を８００ｍと１５００ｍで更新することができました。でも，県大会までの福山地区予選では「駅伝」を経験させることができませんでした。

この学校で「駅伝」をしたい。もっとチームを強くしたい。やるからには「全国を目指す」と心に決め，今日まで生徒とともに走り続けました。

2018年（就任３年目）長距離部員が３名入学し，短距離から２名と一緒に地区駅伝大会へ出場し２位。中国中学校駅伝競走大会（県駅伝）に初出場を決めました。

初めての県大会は１年生のみでの挑戦でしたが，怖いもの知らずの１年生たちで10位入賞することができ，生徒たちもさらに上を目指したいと思うようになりました。

2019年（就任４年目）長距離部員が５名入学し，チーム内の競争も激化してきました。一人一人の意識が高くなり，県駅伝では２位。本当に「県で優勝」が見える位置まできました。

2020年（就任５年目）県大会へ初出場した生徒が３年生となりました。今年こそ「全国」へ。コロナ禍でもそれぞれが目的をもって自分たちなりに努力していましたが，全国大会は中止。このような状況では仕方がありません。「先輩たちのおもい」は「後輩へ」襷とともに受け継がれていきました。

2021年（就任６年目）３年生５名，２年生１名，１年生５名の新チームは，卒業生の思いを胸に「全国への挑戦」が始まりました。一日一日の練習を真剣に行い，食事面では不摂生をしないなど心に強く刻みながら練習しました。９月の分散登校期間中（福山市立中学校では部活動中止）も，目標を決めて自主的にトレーニングを積み，ロード走でのトレーニングや体幹運動など「勝つために」考えて練習をしました。

その努力が実を結び「全国」への切符を掴むことができました。

「チーム鷹取」は12月19日，滋賀県で光り輝くと思います。どうか，皆様方のお気持ちがさらに子どもたちや保護者へ届きますようご協力ください。よろしくお願い致します。

福山市立鷹取中学校陸上競技部監督　白神一輝