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2026/07/25
ボート部 おれたちの全中
おれたちの流儀⑯ 「瑛琉の流儀」
たった1000mに人は熱くなれる。
たった1000mに人は涙する。
たった1000mにドラマが生まれる。
そのたった1000mに、瑛琉は全ての青春を捧げてきた。
いつでも本気(ガチ)になれることがこの競技の魅力だ。
全力を出し切る真剣勝負に、いつも瑛琉の心は燃える。

兄の影響でボートを始めた瑛琉は、格好いいスポーツマンに憧れて、全ての時間をボートに費やしてきた。
学校でも、漕艇場でも、家でも、空いている時間はエルゴやトレーニングに明け暮れ、乗艇ではいつも誰よりも早く出して、最後まで長い時間オールに触るようにしている。
そのおかげか、チームで1番のエルゴタイムを誇り、乗艇でも敵なしだった。そんな練習姿勢を買われて2年の夏、
顧問から男子のキャプテンを任されることになった。

最初はキャプテンになるなんて思ってもなかったが、トップなんだと周囲から認められた気がして嬉しかった。
だが、キャプテンになってからキャプテンにしか分からない悩みに追いかけられるようになった。
それは、
「負けられない」ということ。
キャプテンとして、トップとしていつでも負けるわけにはいかなかった…

2年の12月だった。瑛琉を目標に努力を続けていた浩宇(こうう)がエルゴの1000TTのタイムで瑛琉を超えてきた。
「負けた」という事実が、喉元を締め付けていくような気がした。
自分が嫌になるくらい悔しかった。
その日から、どこにいても何をしてても、ボートのことを考えるようになった。登校中でも、授業中でも部活のことやコーチに言われたことを考えて考えて、考えた。
でもそのおかげで、自分のことやチームのことをより多くの時間考えるようになった。

どうしたらチームのためになるのか。
と考えた時、
自分ができること と やりたいこと の延長線上に見えたのは
「全中をシングルスカルで挑戦したい。」という決意だった。
その思いの礎を作ったのは、12月のマシンローイング滋賀県大会だ。
その大会で優勝を果たした瑛琉は全国タイムでは3位に入賞し、県の代表として選出された。
そして、3月の選抜ボート大会、瑛琉はシングルスカルで勝利を重ね、最終、全国第4位の実績を残した。

瑛琉にとって、今年の全中は「チームへの貢献」と「自分への挑戦」の2つの意味がある。
自分が決勝に進むことでチームの雰囲気を変えたい。そして、人のせいにできないシングルスカルで自分の力を試したい。
また、先の全国選抜で1位をとった、脇本選手(宮崎RC)に勝ちたい。そのリベンジマッチも兼ねる。

「応援してくださっている全ての皆様に結果で恩返しできるように、全力疾漕してきます!!」
こう語る彼の目は自信に満ち溢れ、キラキラと輝いてみえた。
おれたちの全中は、いま始まったばかりだ。
※おれたちの流儀は実際のインタビューを元に作られています。
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