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2026/08/18
『おれたちの全中』

あの日、「おれたちの全中」で一体何があったのか、その経緯を当日の朝から振り返ります。
7月26日(日) 全中 3日目
6:30
会場に到着し、レースの準備を始めます。
今日は運命の準決勝・決勝レース。
連日の早起きと長時間の移動で、みんな体はボロボロ、体調不良や体の故障も出る中、時折降る雨が体力をさらに奪います。
疲れやレースへの不安からナイーブになる選手たち。

そんな選手たちを支えるのも同じチームのメンバーです。艇の準備や出艇時のサポートなど、昨日負けてしまったクルーたちは今日戦うチームメイトに言葉のいらないエールを送ります。

手作り全中お守りは心の支えでした!! ありがとう!!
一方で、出場するクルーは昨日負けてしまったクルーの涙を思い出して、気持ちを奮い立たせます。
「勝ちたかった。」だろう、無念の気持ちを背負って、今日を戦う決意を新たにします。
準備から、ウォーミングアップ、水上での動き、レースプランに至るまでクルーやコーチと相談しながら、今日の計画を作り上げます。

今日、たった一回の勝負に挑む女子クォドのAクルーは、昨晩優勝カップを掴み取るイメージトレーニングまで仕上げてきました。
予選タイムが日本で一番だったので、目には見えなくとも わくわくと緊張感が伝わってきます。
「はやく、レースがしたい!」 決勝レースのその一本に懸ける思いは熱く燃えていました。

笑顔も増え、緊張がほぐれてきました。
準決勝は、順調に進んでいきました。
…しかし…
8:30
準決勝の途中から降り出した雨はまるで、決勝の時間を狙ったかのように、
激しい雷を伴って、1時間に最大で31ミリもの大雨をもたらしました。

当時の降水量データ

当然レースは中断...すべての艇が一斉に陸上へと引き上げられてゆきます。
コースには霧も立ち込め、重たい空気が漂ってきました。
大粒の雨が艇に容赦なく打ち付け、滝のような音が会話を遮ります。
肩を落として外を歩く他校の選手たちはもう傘もさしていません。
クルーたちの疲労はピークに達しているようです。
各チームの代表者が本部に呼ばれました。
嫌な予感が頭をよぎりますが、決勝に出場するために選手たちは最終調整を始めていました。
9:50
競漕委員会よりアナウンス。会話が自然と止み、静寂が雨の音を強める中、絞り出すような声が響きます。
…今大会は84レースをもって 終了と… なります…
よって… A決勝・B決勝は 実施いたしません…
A決勝進出をすべて1位… B決勝進出をすべて7位とします…
選手や保護者の悲鳴に似た落胆が艇庫内に こだましました。
その瞬間、音もなく崩れるようにうずくまる選手たち。コーチたちもかける言葉がありません。

覚悟はしていました。
しかし、なんとやるせないのか。
A決勝に進出するクルーは全員1位をもらえたとしても、「日本で一番」にこだわってきた選手たちにとっては納得できないのも無理はありません。
大人でも、人生の中で、これほど悔しさを感じる瞬間はないでしょう。
ましてや、3年間の全てを捧げてきた選手たちにとって、努力の結果を証明する機会を奪われたことは
自然相手で、仕方ないにせよ。
無念を通り越して、残酷でした。
これまで何のために頑張ったのか。
どれほどそのレース一本に懸けてきたのか。
3年間 約1000時間 いやそれ以上の人生を、
預けてきた夢に、あっけなく裏切られた気持ちさえしました。
両手で受け取る練習までしていた大きなトロフィーに、片手すら届かない現実に打ちのめされました。
後悔では片づくことのない、強い衝撃。
選手たちだけでなく、保護者や顧問ですら感じる 大きな挫折を味わった瞬間でした。
日本で一番の栄光のために、
頑張ってきてよかったって納得するために、
生きてきて良かったって感じられる瞬間のために
挑んできた「おれたちの全中」は、
結果を残す機会を与えられぬまま、いとも簡単に終わってしまいました。


雨ではない温かい雫が、その熱を冷ますかのように頬を伝っていきます…
この代で、このメンバーで、このクルーで
日本で一番になりたかったんだ
決勝の機会を失い、誰も証明できないこのもやもやを、今後どうやって晴らすことができるでしょうか。
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