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2026/08/19
『おれたちの全中』

「去年、”ぼくたちの全中”では目標にしていた男女総合優勝はできなかったので、今年こそ頑張ってください。」

7月23日早朝、前キャプテンの吉田先輩をはじめ多くの先輩たちが出発前に駆け付けてくださった。
今は福井県でボートを続ける吉田先輩の声は、あの時と変わらなくて、どこか懐かしい。
共に優勝を目指した去年の潮来での悔しい光景が目に浮かぶ。

愛麗の流儀、美音の流儀より
きっと今年こそ。日本一の王座を奪還し、「瀬田北中学校」の名前を一番大きなトロフィーに結びたい!

全中まで残り364日!
全てはここから始まった。
去年、雪辱を果たすと誓ったあの日は、同時に男女総合優勝への強い憧れを抱いた日でもあった。
「絶対に負けたくない。」という気持ちももちろんだが、それ以上に、「この代で、このメンバーで日本一になりたい。」とみんなが強く考えるようになっていった。

知夏の流儀より
これまで3年間、何度やってもうまくいかない日も
言い争いや思い違いでバラバラになりそうになった日も
ケガに苦しみ、焦り、自分に自信が持てなくなった日も
それぞれ苦しみ、もがきながら答えを探して来た。
みんな諦めなかった。挫けなかった。逃げなかった。
他のやり方を探したり、自分ができることを探したり。どんな時も息を合わせて、同じ方向を向いて漕いできた。
練習が終わってからも、自分たちの漕ぎと向き合った。漕ぎの動画を見て、クルーで語り合った。
暇があれば、近所を走り、筋トレをし、漕ぎの動画を研究した。
みんなが本気だった。

桜希の流儀より

ショウマの流儀より

幸花の流儀より
3年間ずっと自分たちの大切な時間を懸けて、全ての青春をボートに捧げてきた。
なぜそんなことができるのか
ある部員に尋ねたとき、返ってきた答えは
「ボート部が大好きだから。」
難しい言葉なんていらなかった。気持ちは常にひとつだった。
みんなが大好きだった。

ユウヒの流儀より
チーム一丸となって挑んだ、全中直前の夏季総体では、念願だった滋賀県内の男女総合優勝を果たすことができた。
ずっと目指してきた最初の一歩。負けっぱなしだったチームが全員で勝ち取った快挙。心の底からうれしかった。

今までやってきたことは間違ってなかった。
悩んだ日々も、ぶつかった経験も、前に進むために必要なステップだった。
もしかすると「おれたち」だったら、日本で一番になることも不可能ではないのかもしれない。
周囲にもそう思わせるほど、全員が本気だった。そんなボート部が大好きだった。

夏季男女総合優勝で集まる3年生
ある保護者は言う「 “わたしたちも” こんなに夢を追いかけたことがありませんでした」と。
子どもたちがキラキラした瞳で、真剣に夢を追いかける姿は周りの大人たちまで変えていった。
時に一緒に走ったりトレーニングしたり、乗艇練習に駆け付けて動画を撮影したり、体のことを考えた食事を作ったり、ケガをしたときは良い病院を探して連れて行ってもらえた。
選手だけじゃない、
選手たちの家族も、顧問もコーチも、みんなの「本気」を支え、「本気」に応え、一緒になって駆け抜けた3年間だった。

今回の全中での結末は、悔しいけど受け入れなければならない。
みんながあの日の決勝戦のために、これまでずっと厳しい練習を続けてきたことを知っている。
だから、試合ができなかったことを『天候に左右されるから仕方ない』と、一言で片づけることは絶対にできない。
悔しいし、納得できないのは当然。引きずってしまって当たり前だ。
でも、決勝戦が行われなかったからといって、
これまで積み重ねてきた努力が認められなかったり、みんなの成長が否定されるわけではない。
勝敗を決める試合はなくなっても、青春を懸けて努力してきた時間や共に味わった一体感や感動は確かにそこにある。
誰にも奪うことなんて、できない。
今は無理に気持ちを切り替えることはしなくていいけれど、
たとえ大会の結末が運命によって定められていたとしても、
「おれたちの全中」
この物語の最後を、どう締めくくるかは自分たちで決めることができる。
『試合ができなかった最悪の大会』で終わるのか、
『最後まで仲間と漕ぎ抜いた最高の大会』にするのか。
このあとの「おれたち」一人ひとりで決めよう。
あの日、流した涙ではきっと、本気や大好きの熱は冷めない。
日本一になる夢はきっと、次の世代へと受け継がれていく。
全国大会で男女総合優勝に向けて本気で戦って来た、おれたちの青春の記憶はちゃんと
みんなの心に残っているのだから。
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