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2026/06/19
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ボート部 おれたちの全中
おれたちの流儀⑧ 「ユウヒの流儀」
もっと上手くボートを漕ぎたい。
もっと強くなりたい。
そのために
強化選手に選ばれたい。と思っていた。

ユウヒは2年生の夏からずっと考えていた。
仲の良い友達は強化選手に選ばれ、土日も練習が別になることもあった。
コーチ陣に囲まれ、他のチームのクルーとも交流し、そしてボートもしっかり漕げる。
そんな環境を羨ましく感じ、自分だけが置いていかれているような さみしさ を感じていた。
エルゴのタイムを上げれば強化練習にえらばれるはず。彼は体力や筋力を少しでも伸ばそうとランニングを始め、文化ゾーンやびわ湖沿いに走りに行ったり、漕ぎの動画を見て、自分の漕ぎにどう生かすかを考えたりした。
結果、エルゴのタイムは4:17から 3:58まで上げることができたが、周囲のクルーや後輩たちも台頭し、残念ながら強化選手の枠は回ってこなかった。
それでも彼は決して弱音を吐かなかったし、後ろ向きにならなかった。
ライバルでもある後輩たちに、自分が気付いた漕ぎのアドバイスをする。何十回と見てきた動画の漕ぎと見比べて、もっとこう漕いでみようと優しく声をかける。
「後輩に追い抜かれるかも」という焦りや葛藤はもちろんある。でも、後輩を裏切れないし見捨てない。自分が伝えられる技術を伝えていきたい。とユウヒは言う。
もっと上手くボートを漕ぎたい。
もっと強くなりたい。
と後輩たちも思って部活に来ているから。
『雲外蒼天』 彼の好きな言葉である。
雨雲を抜けた先にはどこまでも青い空が広がっているように、苦難や試練を努力して乗り越えれば、必ず素晴らしい未来や報われる日が来る。

例えいま雲の中にいたとしても、それは自分が「頑張らない理由」にはならない。
一緒に頑張るクルーが、自分を支える仲間や後輩が、応援してくれる家族や先生たちがいる。
絶対に諦めない。

そんな姿勢を買われ、彼は平日の放課後に漕艇場が主催する「スキルアップセミナー」に選抜された。
そこでは強化練習会と同じく、他のチームのクルーとも交流し、コーチングが充実した中ボートをしっかり漕げる。

限られた回数、短い時間だが一生懸命に努力する。
「左肩があがるクセがあるね」
「オールを立てるタイミングを速くしよう!」
一緒に乗ったクルーからアドバイスがあった。
素直に直して次の漕ぎに生かしたい、
そう語る ゆうひ の表情はとてもキラキラしていて
少しだけ晴れやかに見えた。

※おれたちの流儀は実際のインタビューを元に作られています。
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